電子ブレーカ開発(回路設計から量産・PSE認証取得まで実施)

概要

省電力・経費削減を目的としたアラーム機能付きブレーカの開発

実施工程

回路設計、機構設計、ソフト設計、試作、評価・試験、量産等すべての工程。製品化に向けたPSE認証(電気用品安全法)の取得代行

開発のポイント

小型化、低ノイズ化、ノイズ耐性の強化。
ダイヤモンドPSEの技術基準に適合する安全性。外部温度環境への対応と検証。

製品開発の課題

低ノイズ化、ノイズ耐性、小型化

制御系の電圧を生成するためのAC/DCコンバータやその周辺から放射するノイズが規格よりも大きく、小型化の要求やFG(フレームグランド)を取ることができないこともあり、使用できるノイズ対策部品や方法が限られていた。

内部発熱、外部温度環境、小型化

本体自身に流れる電流値が高いため、内部で発生する発熱量が大きく、外部で使用する温度環境の要求も高い。これらの問題をクリアしつつ小型化の要求に応える必要があった。

安全性設計

人が感電しないための安全性や怪我等をしないための安全性の設計が必要。また、製品の販売にあたってダイヤモンドPSE認証を取得する必要があった。

課題に対する取り組み内容

低ノイズ化、ノイズ耐性、小型化

ノイズ対策部品や基板パターン、部品配置の見直しを実施。ノイズの測定を繰り返し行い、放射ノイズの低減策を検討した。

内部発熱、外部温度環境、小型化

温度評価と電子ブレーカ内部の部品配置の見直しを繰り返し行った。ハード設計者とケース設計者の間で要求を満たすための方法や妥協点を見つけるため、設計の見直しや議論を繰り返し行い、改善策を検討した。

安全性設計

安全性設計では、コンサルを利用し、電気用品安全法や社内規格を満たした安全性の検討や設計を行った。

社内の特注試験機を用いた虚負荷試験など、安全規格と要求スペックを満たすための検証を繰り返し実施し、ダイヤモンドPSEの水準を満たした安全性を確認した。

特注の試験機による虚負荷試験
特注の試験機による虚負荷試験
放射エミッション試験(電波暗室)
放射エミッション試験(電波暗室)
動作温度試験(電流精度確認)
動作温度試験(電流精度確認)

【試験項目一覧】

  • 静電気試験
  • 伝導イミュニティ試験
  • 放射エミッション試験
  • 放射イミュニティ試験
  • 雷サージ試験
  • EFT/B試験
  • 電源周波数磁界
  • 伝導エミッション試験
  • 高温動作試験
  • 低温動作試験
  • 高湿動作試験
  • 高温保存試験
  • 低温保存試験
  • 温度サイクル試験
  • 梱包落下試験
  • 梱包振動放置試験

※一部試験については外部の精密工業試験場を利用して対応

開発の成果

  • 小型化要求を満たした製品
  • 電気用品安全法や社内規格を満たした安全性を担保した設計
  • IEC、電波法の規格を満たしたノイズレベルの設計
  • 外部温度環境要求を満たした設計

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